熱燗=温めた日本酒?日本酒は温度によって呼び方・香り・味が変化する

日本酒を普段から嗜む私は、寒くなってくるとお気に入りのお酒を熱燗にして飲みたくなってきてしまいます。

もつ煮とか、温かいお料理を一緒にいただければもう最高です。
そんなことをしていると夫や友人からは「おじさんっぽい」だなんて言われてしまいますが、最近は私より若そうな女性でも同じような方を見かけるので、勝手に嬉しくなっています。

さて、そんな熱燗ですが、お酒にあまり詳しくない人の中には「熱燗ってただ熱々に温めた日本酒のことなんじゃないの?」と考えている方も多いと思います。

では、熱燗とは本当にただの温めた日本酒のことなんでしょうか。
日本酒大好きな私が解説していきますね!

熱燗とは50度位に温められた日本酒のこと

世間的には、温めたお酒=熱燗、という認識が広まっているように感じます。

でも実は、温めたお酒全般のことはまとめて燗酒といい、その燗酒の中の名称のひとつが熱燗なんです。
というのも、燗酒は温めた温度によって名称が違ってきます。

まず、よく耳にする熱燗は、一般的には温度がほぼ50℃の日本酒のことを言います。

日本酒が分かっているお店では、燗酒を出す時はこの熱燗であることが多いです。

それは、さっと手早く温めることができ、アルコール分やお酒の味を飛ばし過ぎずに、燗酒特有のキレのある口あたりを楽しめるからなんです。

あまり温めすぎると辛口になってしまうので、幅広い人が楽しめるのはやはり熱燗の温度なんですよね。

日本酒は温度によって名称と香りと味わいが変わる

日本酒は、その温度によって驚くほどに香りと味わいが七変化します。
また、それに伴い名称も変わり、しかもかなり細かく分かれています。

ここまで繊細なお酒は、世界中どこを探しても日本酒しかないなと感じさせるほどです。
でもそれが、日本酒の良さのひとつなんですよね。

では、詳しく見ていきましょう。

飛び切り燗/55℃

その名前の印象から受ける通り、熱燗よりも熱いほぼ55℃のお酒を指します。

日本酒は、加熱すればするほどアルコール分が飛び本来の風味が失われてしまうため、これ以上温めるのはおすすめされていません。
飛び切り燗にすると、鼻がツンとするほど刺激を感じる香りがします。

そして、キレのある辛みを含んだ風味を持つため、すっきりした味わいの本醸造酒で燗を付けるのがおすすめです。

熱燗/50℃

一般的に、居酒屋などのお店で出すことが多いのがこの温度です。

熱燗は、ほぼ50℃のお酒を指します。
ほかほかとほどよい湯気が出る程度の温かさで、香りは若干強め。
味にもキレがあり、本醸造酒・純米酒などが使われることが多いです。

上燗/45℃

ほぼ45℃の日本酒を指す名称が、上燗です。

徳利から、よく見れば湯気が出ているかな?というくらいの温かさになります。
猫舌だけど、燗酒の熱さは感じたい!という私が、実は一番好きな温度だったりします。

辛いというより、そのお酒が持つ風味を残したまま、全体が引き締まった味がします。
シンプルな味ながらも、ほどよい旨味とコクを持つ純米酒がおすすめです。

ぬる燗/40℃

ほぼ40℃の日本酒を指す名称です。
この温度になってくると、熱いというより心地よい温かさを感じます。

熱燗の次に、よく耳にするのがこのぬる燗という方も多いのではないでしょうか。
ほどよいふくらみを孕んだ味と香りになります。

熱いのが苦手だという方は、ぜひ純米酒で燗を付けて、この温度で一度は楽しんで欲しいです。

人肌燗/35℃

名前の通り、人肌と同じか少し低いかというくらいの温度で、ほぼ35℃のお酒のことを指します。
味や香りの変化というよりは、日本酒の元となっているお米・麹本来の味を楽しめるのが人肌燗です。

日向燗/30℃

日向燗は、ほぼ30℃のお酒を指す名称です。
ほどよい日向に当たっているくらいの、冷たくもなく温かくもないくらいのお酒ということですね。

そのお酒本来の特徴から大きな変化はありませんが、ほのかに香り、味はなめらかで飲みやすい口あたりです。

冷や(常温)/20℃

ほぼ20℃のお酒を指す名称です。
ほとんど常温の、何もしていないお酒ですね。

居酒屋で日本酒を頼む時に冷やにすると、出てくるのはこの温度です。
冷やという名前を聞くと冷酒の部類なのかと思いますが、実は常温にカテゴライズされるのはちょっと驚きです。

味と香りがちょうど良く感じられるので、幅広いお酒で楽しむことができます。

涼冷え/15℃

ほぼ15℃のお酒を指す名称が、涼冷えです。

ここから冷酒に分類される温度になりますが、涼冷えはほどよく冷えているかな?という程度の冷たさ。

夏に瓶を頰に当てたら「あ、涼しい」と感じそうな温度なんですよね。
この涼冷えは吟醸酒がおすすめで、ワイングラスに注いだらそれだけで華やかな香りを感じられますよ。

花冷え/10℃

ほぼ10℃のお酒を指す名称です

花冷えという言葉自体は、桜が咲く季節に肌寒さが戻ることを指します。

その名前から想像出来る通り、キンキンには冷えていないけれど冷たさを感じるかな…というのがこの温度。

冷蔵庫から取り出してほんのちょっとだけ時間を置いた状態です。
味や香りは、涼冷えよりも爽やかな印象に変わります。

雪冷え/5℃

ほぼ5℃のお酒を指す名称です。冷蔵室とほぼ同じ温度になります。

取り出して、すぐテーブルに出すと雪冷えの状態になります。
香りや味は、他の温度よりも秘められた印象にになりますが、そのキーンとした口当たりは夏の晩酌には最高ですよ。

まとめ

「熱燗って結局温めたお酒でしょ?」という疑問に答えるところから、日本酒の温度に応じた名称の解説まで行ってきましたが、いかがでしたか。

細かく名称を分けていることにも驚きですが、その名前の付け方からも昔の人々のセンスを感じますよね。

変化に少し寂しさを感じつつも、それを尊び楽しむ日本人特有の文化と言っても過言ではありません。

燗酒を頼んだことがない方も、今度居酒屋に行った時には試しに自分に合いそうな温度で日本酒を頼んでみてはいかがでしょうか。